浪速風

富山交番襲撃、007の指紋認証銃なら…

英国の警官は要人警護など特別な任務以外は拳銃を携行しない。19世紀に誕生したスコットランドヤード(ロンドン警視庁)は「市民の守護者」を任じ、銃を持たずに警邏(けいら)した。それ以来の伝統である。最近はテロの続発で武装の必要性が論議されているようだが。

▶日本の警察はフランスを範にした。明治7(1874)年に東京警視庁を創設した川路利良は、渡仏後の建議書に「平常には司法地方の警察を勤むと雖(いえど)も止むを得ざれば、銃器を取りて兵となる」と記した。警官が銃を持つのは、治安を守り、犯罪を防ぐためである。衝撃的な事件が起きた。

▶富山市の交番で21歳の元自衛官が警官を刃物で刺して拳銃を奪い、近くの小学校で警備員に発砲、2人が死亡した。銃所持の是非も議論になろうが、まずは強奪を防ぐ対策が急務だ。映画「007スカイフォール」に、指紋認証で敵に奪われても発射できない銃が出てきた。米国ではすでに開発されているそうだ。

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