米航空宇宙局(NASA)と仏国立宇宙センター(CNES)が開発し、1992年に打ち上げられた海洋観測衛星・TOPEXポセイドンで時代が画されることになったそうだ。
「この衛星によって93年から海面水位の把握が可能になったのです」と宮澤さんが教えてくれた。
大気の高気圧や低気圧と同様、海面にも凹凸があるという。その高低から、海水の流れや水温などが読み取れるのだ。「海面水位は海流の研究で最も基本的なデータです」
黒潮は100キロもの横幅を持ち、総延長は3千キロ。その表面は周辺より1メートルほど高く、水深千メートルにまで及ぶ構造を持っている。
世界で最も強大で有名な海流なのだ。