1日に何人もの企業経営者と面会する杉浦佳浩さん。それをこなせるのは子供のころの経験があるからだという。(聞き手・中山玲子)
--1日に10件以上、企業経営者との面会をこなすなんてハードスケジュールですね
杉浦 人に会うことに抵抗を感じないのは、幼少時代の経験が原点になっています。父はかつて親戚(しんせき)と店舗設計を手がける会社を経営していました。幼稚園児から小学校低学年まで、営業の父に付いて一緒にお店を回っていた。ニコッと笑うとお客さんに頭をなでてもらえたり、お菓子をくれたりする。当時は私もかわいかったんです。
--子供だった頃の原体験が今の仕事につながっているのですね。将来なりたい職業はありましたか
杉浦 学生時代にお金がたまっては海外に行っていました。今で言うバックパッカー。当時、上海と大阪を往復4万9800円で行けるツアーがあって友達と参加しました。人民服を着た中国人が、当時珍しかった日本人の私たちに筆談で質問攻めしてきて仲良くなりました。世界にはいろんな人がいるのだなと実感し、海外で仕事がしたいと思っていました。