(1)民泊の無許可営業の罰則強化(2)警察の権限強化(3)民泊の防犯カメラの設置基準強化(4)戸建て建築などでの民泊の禁止(5)民泊衛生管理者制度の設置(6)違法通報制度に対するインセンティブ(7)地域自治会との連携による徹底したセキュリティー強化(8)サブリース(転貸し)の禁止-などである。
中国資本の参入リスク
さらに、山中湖村に限れば、神奈川県の水源に隣接しており、中国資本による土地取得が進む可能性がある。そうなれば、少々大げさかもしれないが、水源の権利を中国資本に奪われるなど、安全保障にも影響しかねない。国益を害するリスクがある土地取得規制の議論に、民泊も入れるべきかもしれない。
もちろん、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた一時的な民泊の規制緩和論や地方創生を目的とした民泊を否定はしない。ただ、あまりにリスクが大きいのが現状だ。
ゆえに、地方などで経営難に苦しむ民宿の再生プランと、急増する観光客による宿泊施設不足解消を目的とした都市部での新規民宿参入をそれぞれ分けた上で、民泊新法を議論し直すべきである。
規制や取り締まりを強化し、安心感が広がらない限り、日本において民泊は遅かれ早かれ廃れていくのではないだろうか。
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【プロフィル】平野和之 ひらの・かずゆき 経済評論家。昭和50年、神奈川県生まれ。法政大卒業後、通信関連会社に入社。平成12年に退社し、マーケティング会社を設立。20年から経済評論家として講演、執筆活動などを始め、テレビ出演も多数。『図解経済入門 基本と常識』(西東社)など著書多数。