花田紀凱の週刊誌ウオッチング〈674〉

米朝会談 勝ったのはトランプか金正恩か

 初の米朝会談、勝ったのはトランプか金正恩か。成功か失敗か。

 日本のメディアに登場する識者たちは否定的な見解が多いが、アメリカのMSM(メイン・ストリーム・メディア)は全面否定。

 『ニューズウィーク日本版』(6・26)「米朝会談の勝者」と表紙に打った12ページの大特集も同様だ。

 〈金正恩朝鮮労働党委員長は長年の悲願を4つかなえて、帰国の途に就いた。1つ目は、34歳の貧国の独裁者である金が世界最強の国の指導者と対等の立場で会談できたこと〉〈2つ目は、トランプが「北朝鮮に体制保証の提供を確約した」こと〉〈3つ目は、トランプが米韓合同軍事演習の中止に合意したこと〉〈4つ目は、「最大限の圧力」をかけ続けるというアメリカの政策を無効にできたことだ〉

 〈一方、トランプはほぼ手ぶらでシンガポールを後にすることになった〉

 その他にも、

 〈金もトランプも平気で約束を破る。こんな状況で両者が目標を実現させることは困難だ〉

 〈(共同声明は)「冗談」のような代物〉

 〈彼(トランプ)はペテン師で夢想家だ。みんなが詐欺師の口車に乗せられたのだ。何一つ信用できない〉

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