JR負担で県道トンネル整備 静岡市の要望受け入れ リニア工事めぐり基本合意書

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 静岡市北部の南アルプス地下を貫通するリニア中央新幹線工事をめぐり、同市とJR東海は20日、市が望む県道へのトンネル整備を同社の費用負担で行うことを盛り込んだ基本合意書を締結した。田辺信宏市長と同社の金子慎社長が共同会見して発表した。約140億円と試算された工事費用は同社が全額負担する。両者間の最大の懸案事項だったトンネル設置箇所について、同社が市の要望を全面的に受け入れる形で決着したことは、大井川の流量問題で対立する県と同社との交渉の行方にも影響を及ぼしそうだ。

 南アルプス工区の工事が始まれば、車両のすれ違いが難しいほど狭い県道を多数の工事車両が通過すると想定される。このため市は、工事現場近くの井川地区の住民の利便性を確保するため、市中心部と井川地区を結ぶ県道に工事車両も一般車も利用できるトンネルを整備するよう要望していた。一方で同社は、川根本町と井川地区を結ぶ市道にトンネルをつくれば住民の利便性は損なわれないと主張。トンネル設置箇所をめぐって意見が食い違っていた。

 基本合意では、同社が譲歩し、市や地元住民が求めていた県道側に同社の全額負担でトンネルが設置されることになった。

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