浪速風

平時の備えが「帰宅難民」を助ける

交通網の混乱を受け、淀川に架かる新淀川大橋を歩いて渡る人々=18日午後7時11分、大阪市(鳥越瑞絵撮影)
交通網の混乱を受け、淀川に架かる新淀川大橋を歩いて渡る人々=18日午後7時11分、大阪市(鳥越瑞絵撮影)

「帰宅支援マップ」(昭文社)は平成17(2005)年に首都圏版が発売され、累計125万部を超えるベストセラーになった。震災時などに徒歩で帰宅を余儀なくされた人を道案内してくれる。帰宅支援ステーション、休憩ポイント、トイレ、水飲み場なども掲載されている。最近は地図アプリもある。

▶大阪北部地震では、JRや私鉄、大阪メトロなどがほぼ終日、安全確認のため運転を見合わせた。出社をあきらめたり、自宅待機を指示された人も多いが、大勢が帰宅難民になった。小欄は豊中から行きも帰りも自転車だったが、大阪市の中心部から北へ向かう道路は、歩く人たちが列をなした。

▶遠い道のりも、最短で安全なルートがわかると幾分かは楽になる。教訓として、職場には歩きやすい靴やリュック、レインウエアなどを用意しておきたい。「防災の日」などに行われる帰宅困難者の体験訓練に参加するのもいい。平時の心構えが、いざという時の助けになる。

会員限定記事会員サービス詳細