モータースポーツ

ルマン優勝のトヨタ、HV戦略に弾み レースで技術蓄積

 トヨタ自動車がルマン24時間レースにハイブリッド車(HV)で参戦し初優勝を果たしたことで、レースを通して電動化技術を向上させる同社の戦略に弾みがつくのは確実だ。日産自動車は、電気自動車(EV)で競う「フォーミュラE」選手権に年内に参戦する。HVやEVなどの電動車について、モータースポーツを通してノウハウの蓄積や知名度向上を狙う動きが活発化している。

 トヨタがル・マンで使った「TS050ハイブリッド」は、2・4リットルV型6気筒ツインターボエンジンと、リチウムイオン電池などからなるハイブリッドシステムを搭載。平成24年比で燃料の消費量は35%減ったという。

 トヨタは今月15日、仏西部のレース会場で、このTS050ハイブリッドと同じ主要パーツでつくられた試作車「GR スーパースポーツコンセプト」を発表。レーシングカーの魅力はそのままに、運転しやすくして市販化を目指すという。豊田章男社長は優勝後、「『改善に終わりはない』という言葉をモータースポーツの現場が身をもって理解し勝利に結びつけたことで、(市販化)実現に向けた大きな一歩を踏み出せた」とコメントした。

 一方、日産が参戦するフォーミュラEは、今年12月から来年にかけて、ニューヨークやパリ、ローマなどの世界12都市で13レースが開催される。市街地走行が特徴で、同社は「EVを身近に感じてもらう」場として活用する。(高橋寛次)

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