イージス・アショア初の住民説明会 防衛省が秋田市で 反対の声相次ぐ

 付近には秋田空港、風力発電設備もあり、レーダーが発する電波が与える影響が懸念されている。防衛省は「飛行制限区域を設定する可能性はゼロではないが、ドクターヘリなどが緊急時に飛行できる措置は執りたい。風力発電の運用には支障はないことが確認されている」(五味課長)と説明。人体に対する影響については「住民の健康診断を行うべきではないか」との質問が出たが、防衛省側は「秋田市と相談したい」(東北防衛局の北川高生企画部長)と答えるにとどまった。

 「イージス・アショアがテロの標的になる」との懸念もある。ある男性は「敵が街に潜伏し、イージスが破壊されたり、住民が市街戦に巻き込まれた場合どうするのか。避難計画は作るのか」と質問。防衛省側は、「イージス導入が抑止力となって、外部からの攻撃の可能性は一般的には低くなる。ただ、あらゆる事態を想定する警備体制を取っていきたい」(五味課長)と理解を求めた。実際の訓練では「発射実験は行わないが、ハワイの米軍施設を活用するなど、さまざまなシミュレーションは行う」(同)という。

 説明会が開催された秋田市役所の外では反対住民らの抗議活動が行われ、「最初から新屋演習場に狙いを定めたかのような計画には納得できない」などと訴えていた。防衛省は陸上自衛隊の新屋演習場のほか、むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)の2カ所を候補地として検討している。(秋田支局長 藤沢志穂子)

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