遺伝子組み換え種子を紛失 立命館大、郵送中に封筒破損

遺伝子組み換え種子を紛失 立命館大、郵送中に封筒破損
遺伝子組み換え種子を紛失 立命館大、郵送中に封筒破損
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 立命館大は15日、生命科学部(滋賀県草津市)から他大学に郵送された遺伝子組み換え植物の種子が、郵送中に行方が分からなくなったと発表した。使用した封筒の一部が破れており、郵送中に紛失した可能性が高い。立命館大は、種子は容器に密閉されており、発芽成長する可能性や人体、生態系に影響する可能性は低いとしている。

 立命館大によると5月18日、生命科学部の30代の男性特別任用助教が、横浜市立大からの依頼で、実験用に遺伝子を組み換えたシロイヌナズナの種子約100粒を封筒に入れて発送。

 封筒は翌19日に横浜市立大の守衛室に届き、21日に送り先の助教の机の上に置かれた。助教が23日に封筒を確認した際、封筒が破れて空になっていることに気づき、学内を捜したが種子は見つからなかった。

 一方、立命館大では郵便局が集荷するまで封筒に異常がなかったことを確認しており、配送中に紛失した可能性が高いとみて、郵便局に捜索を依頼したが、これまでのところ種子は見つかっていない。

 遺伝子組み換え植物の送付の際は、法律で丈夫な容器に入れることは定められているものの、郵送方法は規定されていない。

 ただ、立命館大では、箱など破れない容器に入れて送ることが通例だったほか、送付の際は学内の委員会に届け出ることになっていたが、今回届け出はなかったという。

 記者会見した仲谷善雄副学長は「規定がなくとも扱いに気をつけるのは研究者として当然。非常に遺憾に思っている」と謝罪した。

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