但馬空港に迫力の巨石群 噴火口跡を来月1日から公開

23万年前の噴火口跡。但馬空港の見学ツアーで公開される=豊岡市岩井
23万年前の噴火口跡。但馬空港の見学ツアーで公開される=豊岡市岩井

 豊岡市のコウノトリ但馬空港に、23万年前の火山噴火口跡が出現した。滑走路近くの敷地内にあり、溶岩が固まった巨石群が広がっている。空港を運営する県の第3セクター「但馬空港ターミナル」は7月1日から始まる裏側見学ツアーで参加者に特別公開する。

 噴火口跡は、滑走路(1200メートル)南端部の東約150メートル付近。飛行機の視界確保のための改良工事で、昨年10月から約2400平方メートルを掘削した丘陵地内にある。約300平方メートルの範囲に溶岩跡とされるゴツゴツした岩石が集中、迫力ある景観を見せている。

 同ターミナルによると、平成6年の開港に向けた空港建設工事中、火山地帯だったことが判明。県発行の「但馬空港工事誌」には地名から「上佐野火山」と命名されたことが記され、当時の調査で2つの噴火口の存在が確認されてはいた。ひとつは現在滑走路下にあるという。

 同空港では7~8月、「但馬空港まるごと見せちゃいます」と名付けた見学ツアーが行われる。滑走路や通信施設など普段は立ち入り禁止のエリアを見られる人気企画で、同ターミナルは第4弾となる今回、約2時間の周回ルートの中にこの噴火口跡への立ち寄りを組み込むことにし、案内看板を設置、空港の新たなスポットとして紹介する。

 ターミナルビル正面には火山弾も展示しており、同ターミナルは「但馬空港周辺で大昔、火山が噴火していたことを伝え、山陰海岸ジオパークのPRにも役立てたい」としている。

会員限定記事会員サービス詳細