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レスリング女子の伊調馨(かおり)選手らが日本レスリング協会前強化本部長の栄和人氏からパワーハラスメントを受けた問題で、栄氏が14日、記者会見し「今後は常に他人に敬意を持って接したい」と頭を下げた。伊調選手に面会して直接謝罪する意向も示した。協会が4月にパワハラを認定した後、栄氏が公の場で説明するのは初めて。
栄氏は至学館大の監督として駒沢体育館(東京都世田谷区)で同日開幕した全日本選抜選手権で復帰、試合前に会見した。冒頭、伊調選手とコーチだった田南部力氏の名前を挙げ「深くおわび申し上げたい」と陳謝。今後、協会側が設定したパワハラの再発防止講習を受けることも明かした。
パワハラ行為が起きた原因については、「コミュニケーション不足」との認識を示し、「田南部コーチから指導を受けたいという選手がたくさんいる中、伊調選手に費やす時間が多かった。ほかの選手も見てほしいという思いから行き違いが生まれた」と話した。
また、至学館大の監督については、辞任の意思はないと表明。教え子から大会前に「これからもあなたの指導を受けたい」と伝えられたといい、「この子たちを何とかしてあげたいという思いだ」と涙ぐんだ。
一方、伊調選手に直接の謝罪はできていないとした上で、「大会期間中にタイミングが合えば会いたい」との意向を示した。