阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会は例年、本業の鉄道や百貨店、不動産事業より、阪神タイガースが話題になる。業績、すなわち成績が良ければシャンシャンで終わるが、そうでないともの言う株主が黙っていない。今年はスコアラーが盗撮容疑で逮捕されたこともあって、荒れたようだ。
▶とくに若手の伸び悩みや、期待の外国人選手の不振に、厳しい質問が相次いだ。矛先はコーチ陣にも向けられ、「若い選手が出てきたから喜んでいても、次の年には打たなくなる」「フロントの方は、コーチが大事だということをわからないんですか」。会場から拍手が起きたという。
▶それでも甲子園球場は連日満員だから、ファンはありがたい。不満も見方によっては建設的な提言である。重箱の隅をほじくるような議論で、安倍政権の揚げ足を取ろうとする不毛な国会より、よほどましだ。求められた経営努力は、優勝という配当でお返しするしかあるまい。