1時間あたり千円前後の利用料金で、最新のゲームソフトが何本も楽しめる「ゲームバー」。漫画喫茶のゲーム版として若者らに人気だが、京都府警と兵庫県警は13日、著作権法違反容疑で、両府県内の店舗の摘発に相次いで踏み切った。ゲームの著作権保護団体はかねて、この業態が違法だと警告。法的トラブルに発展するのを嫌って、最近は自主的な閉店・撤退の動きも目立っていた。
都心部に点在
ゲームバーとは「ニンテンドースイッチ」「プレイステーション4」といった据え置き型の家庭用ゲーム機を中心に、さまざまなゲームを飲食しながら楽しめる店舗のこと。インターネットカフェのように、場所を利用した時間で料金が決まる。
店舗によって異なるが、アルコールを含めたドリンクや菓子付きで、1時間あたり千~1500円が相場。正確な統計はないが、都心部を中心に全国で数十店はあるとみられる。
大阪市内のゲームバーをよく利用するという30代男性は「持っていない機種のゲームをやりたくても、全てそろえると多額の費用がかかる。ゲームバーは購入前に『お試しプレー』ができる」と、そのメリットを語った。
上映権の侵害
最新のニーズを取り込んだ形のゲームバーだが、取り巻く環境は厳しいものになっていた。
ゲームなどの著作権を管理・保護する「コンピュータソフトウェア著作権協会」(ACCS、東京)が平成23年以降、ゲームの「上映権」の侵害に当たるとして各店舗に警告を発していたからだ。担当者は「ゲームソフトの利用には著作権者の許諾が必要」とし、それがないゲームバーの営業は違法との立場だ。