浪速風

米朝、歴史的会談でアコーディオンは鳴りやむか

1950年6月25日、北朝鮮軍が北緯38度線を越えて侵攻した。わずか3日でソウルが陥落し、韓国政府は釜山まで追い込まれたが、マッカーサー率いる国連軍が仁川に上陸して形勢は逆転する。次に中国軍が参戦し…。一進一退の形態が似ていることから「アコーディオン戦争」と呼ばれる。

▶3年後に休戦協定が結ばれたが、朝鮮戦争はまだ終わっていない。88年のソウル五輪の際、停戦ラインを訪れた。38度線から南北それぞれ2キロを非武装地帯として、幾重にも鉄条網や高圧電流のフェンスが設けられていた。地雷原もあるという。パトロールする兵士に、ただならぬ緊張を感じた。

▶北側を遠望すると、畑を耕す姿が見えた。農家の建物も立派だ。毎朝、農民役がやって来て、豊かでのどかな暮らしを演じる宣伝村と聞いた。いつになったら自由に行き来できるようになるのだろうと思った。米朝首脳会談が始まった。アコーディオンはついに鳴りやむのか。

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