絶滅の恐れのあるニホンウナギの資源管理について話し合う日本と韓国、台湾の非公式協議が7、8の両日、東京都内で開かれ、科学的根拠に基づく資源管理措置の導入に向けた議論を始めることで一致した。ただ、規制強化に消極的な中国が4年連続で欠席。中国不在で進む資源管理は効果に疑問も出そうだ。
非公式協議では、ニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」を養殖に回す上限数量について、日本は昨年に続き21.7トンとすることも決定した。シラスウナギは東アジア全域で不漁で、日本が前回漁期(昨年11月~今年4月)に養殖に使った量は14トンにとどまった。
ニホンウナギの生態は解明されていない部分が多い。このため「科学的根拠に基づいてシラスウナギを採る量を議論するべきだ」などの意見が出たという。9月下旬にも、データの扱いなどを議論する。
来年5~6月のワシントン条約締約国会議では、ニホンウナギの国際取引の制限が議論される可能性もある。日本はそうなる前に、中国を協議の場に引き戻し、4カ国・地域が一体となって持続的な資源利用に努めている姿をみせたい考えだ。
ウナギの需要が高まる夏を前に、日本養鰻漁業協同組合連合会はウナギを通常の2倍近い大きさに育てて出荷する方針を決めた。「通常はウナギ1匹でうな重1人前のところを2人前にする作戦」(関係者)で、流通業界からはおおむね理解を得ているという。