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福岡市の有識者研究会が、夏にも新たな交通網に関する意見をまとめる。路面電車、路線バス、地下鉄-。次々と生まれた交通インフラは、福岡の成長を下支えしてきた。博多港周辺の「ウオーターフロント地区」へのアクセスをめぐり、高島宗一郎市長が意欲を示すロープウエー構想を含め、実現の可能性を探っている。
(高瀬真由子)
天神、博多両エリアと並ぶ拠点に
市は博多港周辺を、天神、博多両エリアと並ぶ拠点と位置づける。港周辺の再開発では、国際会議などの会場となる大規模展示場やホテル、商業施設を設ける案が出ている。
課題はアクセスだ。港周辺には電車や地下鉄が通らない。市によると、訪れる人の55%が自動車を使っている。
再開発の計画が進んだ場合、市の試算によると、人の動きや交通量は、それぞれ現状の2・9倍に達する。入港する外国船舶の乗降客数は、今も年間200万人に上り、今後も伸びが予想される。市の担当者は「道路など地上レベルの対応には限界が出る」と説明した。
港周辺、天神、博多の3点が、市の発展を牽引(けんいん)するには、スムーズな移動手段が欠かせない。平成28年には西日本鉄道と共同で、連節バス「BRT」を導入したが、渋滞緩和の抜本策にはなっていない。