「米側がだいぶ北朝鮮に押されてきた。しかし、トランプ氏のことだから何が起こるか分からない。米朝会談だって、一度キャンセルしているしね…」
政府高官はこう述べ、トランプ氏が北朝鮮に対して軟化してきたことを認めた一方、トランプ氏の言動の予測不可能性を指摘した。安易な譲歩に走るとはかぎらないというわけである。
外務省幹部は「米側とは事務レベルでは一致している」と語ったうえで、米側も次のようなことを言っていると明かす。
「米朝会談で大統領が何を言うか分からない。大統領が金委員長と会う前に、最後に会う人(安倍首相)が最も重要だ」
米側事務方もトランプ氏の腹の内が読めず、コントロールできずにいるため、トランプ氏の「相談役」である安倍首相頼りとなっているのである。それだけ今回の日米両首脳による(通訳を除いて1対1の)テタテ会談は、決定的な意味を持っている。
最後は安倍首相
トランプ氏が先月24日にいったん米朝会談の中止を表明した際には、事態は米国主導で動いていた。ところが、現在では北朝鮮ペースで進行している感がある。ただ、トランプ氏の真意がどうあれ、米国全体が対北譲歩ムードに流されているわけではない。防衛省幹部は強調する。