【アジア風雲録】岡山・美作市が公共施設にホー・チ・ミン像 在日ベトナム人ら反発、撤去求める(2/4ページ) - 産経ニュース

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アジア風雲録

岡山・美作市が公共施設にホー・チ・ミン像 在日ベトナム人ら反発、撤去求める

 ホー・チ・ミンはフランスの植民地時代からベトナム革命を指導した「建国の父」とされ、第二次大戦後はベトナム民主共和国初代国家主席に。インドシナ戦争で独立を勝ち取り、その後、南北が対立したベトナム戦争では米国が支援する南ベトナム軍と戦い、最終的に勝利に導いたことで知られる。

 しかし、戦争で家族を失い、ボートピープルなどとして国外に逃れた難民らの間では「政敵の粛正や、民衆への迫害を行った」などとして批判も根強い。

 同国はこれまでもフランスやロシア、シンガポールなど交流のある国にホー・チ・ミン像を寄贈しているが、海外でも元難民らは像に批判的だという。

 こうした事情もあり、美作市での像の設置も当初から疑問視する声が上がっていた。一部市議らは昨年、「外国の一政治家の像を公的な場所に設置することは、他国との交流事業に支障をきたすのではないか」として、設置に反対する申し入れ書を市民ら約2千人の署名を添えて萩原誠司市長に提出した。

 これに対し、市は「(ホー・チ・ミンが同国で芸術家としても評価されていることを踏まえ)作詞など文学的にも秀でた芸術家の像として受け取る」「観光客増加やベトナムからの視察などが見込まれ、(像の設置で)国内外へ向けPRを強化する」として理解を求めた。

 しかし、今年4月には元難民を含む在日ベトナム人らでつくる「日本在住ベトナム人協会」(東京)も「公共の文化空間は、一般市民らに認められる普遍的価値を有する芸術作品のみの設置がふさわしい」として、萩原誠司市長に像の撤去を求める請願書を提出した。