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ベトナムとの交流を推進している岡山県美作(みまさか)市が昨年、同国政府から「建国の父」とされるホー・チ・ミン主席(1890~1969)の銅像を寄贈され公共の文化施設に設置したところ、日本在住のベトナム人団体が「残虐な独裁者だ」として反発し、撤去を求めるなどの騒ぎに発展している。インドシナ、ベトナム戦争を戦い抜き、独自の社会主義建設を指導したホー・チ・ミンは同国で敬愛される一方、戦争で海外に脱出した難民らには根強い反感も。少子高齢化に悩む市はベトナム人技能実習生や観光客増加に期待し、像を「日越友好の証」とするが、自治体レベルでの国際交流の難しさが浮き彫りになっている。(吉村剛史)
金色の座像
美作市には現在、交流によってベトナム人90人以上が在住。こうした実績をもとに昨年10月、同国政府から「友好の証」としてホー・チ・ミンの銅像が日本では初めて同市に寄贈された。
像は金色の座像で、台座を含めた高さ約190センチ、幅約90センチ、奥行き約120センチ。市立の施設である作東文化芸術センターの屋内に設置され、市によると、昨年11月21日の贈呈式にはベトナムのダオ・ヴィエト・チュン主席官房長官やヴ総領事ら37人が出席。チュン長官は「像は美作市への特別なプレゼント」と、日越友好への寄与に期待を寄せたという。