--中型パネルの採用拡大をどう進めるか
「最初に製品化した4K画像に対応した21・6型のパネルがソニーの医療用モニターに採用され、昨年12月に初出荷した。今年1月には台湾のASUSにもサンプル出荷を開始しており、次の供給先となる見通しだ。有機ELの画質の良さに加え、曲げて使える形状自由度などを訴求し、自動車の車内パネルや曲面の電子看板など新分野にも幅広く提案したい。現在は試作ラインでの少量生産だが、31年度には量産ラインでの本格生産を目指している」
--印刷方式を有機ELのデファクトにする戦略は
「中型パネルは自ら量産し、市場開拓に注力するが、テレビなど大型パネルの領域での展開も検討している。外部のパネルメーカーに印刷方式の製造技術をライセンス供与するビジネスモデルを目指している。ある程度規模を広げていかないと、良い技術を出しても線香花火的に消える。印刷方式をデファクトにする以上、量産技術を固めて、パートナーシップをどう広げていくかが重要になる」
(経済本部 万福博之)
◇
森政俊氏(もり・まさとし)平成5年ソニー。映像デバイスの開発、製品設計や有機ELの開発などを経て、27年から現職。49歳。愛知県出身。