クローズアップ科学

不漁が続くニホンウナギ 稚魚到来に風が影響、進む生態解明

 この理由について、水産研究・教育機構中央水産研究所の黒木洋明グループ長は「稚魚の量が急減したというより、日本近海に来る時期が遅くなったことが原因の一つだろう」とみている。

 確かに過去2年間の池入れ量のピークは12~1月だったが、今期は3月と大きくずれ込んだ。国内で禁漁となる5月以降も、日本沿岸にかなりの稚魚が来遊していることが水産関係者から報告されているという。

台湾沖で稚魚に

 日本に戻ってくるウナギは全て稚魚で、幼生のまま来ることはない。幼生がどこで稚魚に姿を変えるかは謎だったが、同研究所は台湾の東方沖で稚魚に変態する途中の個体を多数採取。変態中のウナギが同じ海域で大量に見つかった例はなく、ここが稚魚の古里らしいことが分かった。

 この海域には直径数百キロの大きな渦がいくつもあり、自ら泳ぐ力がない柳の葉のような形の幼生(レプトセファルス)を取り込んでいく。福田野歩人(のぶと)研究支援職員は「幼生は渦の中で変態し、稚魚になって泳ぐ力がつくと渦を抜け出して黒潮に乗るのではないか」とみている。

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