【午後のつぶやき 大崎善生】西山朋佳新女王 驚異の一手(1/2ページ) - 産経ニュース

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午後のつぶやき 大崎善生

西山朋佳新女王 驚異の一手

 5月24日、将棋界に新たなタイトルホルダーが誕生した。将棋のマイナビ女子オープン五番勝負の第4局で西山朋佳奨励会三段が加藤桃子女王を破り、3勝1敗で初めてのタイトルについた。第4局は序盤で不利に陥った西山が剛腕で盛り返していくという、これまでと同じような展開。最後は金銀四枚を捨てるという鮮やかな即詰みに討ち取った。

 将棋界は奨励会員と女流棋士は両立できないことになっている。どちらかを選べということなのだが、西山は何の迷いもなく奨励会員として男子の中に紛れて戦っていくことを選んだ。もっとも研修会という奨励会の下部組織から奨励会に入り、六級から三段へと歩を進めた彼女にとっては当たり前の選択だったろう。奨励会級位者のころはとにかく指し手が早く、勝者が手合いカードへ白星の印鑑を押してもらうのだが、西山はたいてい一番乗りだったという。三段リーグに上がるまで、そんな状態が続いた。将棋が荒っぽく序盤ですぐ不利になるのだが、中終盤で怪力を発揮して逆転勝ちしてしまう。特に終盤の強さは驚くべきものがある。それだけを武器に伏魔殿ともいえる奨励会を、勝ち抜いてきたのだ。