昨年末に発表された平成27年の厚生労働省の調査で滋賀県の平均寿命が男性が全国1位、女性が4位と躍進した要因を探ろうと、滋賀大と県衛生科学センターは平均寿命と生活環境などの相関関係の分析結果を発表した。喫煙率などが低く、これらの生活習慣と病気の発症率の低さに相関関係が裏付けられた。
県の平均寿命は男性81・78歳、女性87・57歳。がん死亡率の低さ(男性2位、女性14位)、脳血管疾患の低さ(男性1位、女性2位)など、主な病気での死亡率の低さが要因とみられる。
また、都道府県別の平均寿命調査のほか、国民健康・栄養調査、社会生活基本調査、社会教育調査など計12の統計や調査を分析。
その結果、男性の喫煙率の低さ(全国1位)▽多量に飲酒する人の少なさ(男性4位、女性13位)▽スポーツをする人が多い(男性2位、女性6位)▽ボランティアをする人が多い(男性2位、女性4位)-など、生活習慣と平均寿命や日常生活を支障なく過ごせる期間を示す健康寿命の長さとの相関関係が認められた。
さらに、これらの生活習慣は、失業者の少なさ(2位)▽労働時間の短さ(9位)▽所得の高さ(4位)▽所得格差の小ささ(2位)▽図書館の多さ(14位)▽高齢単身者の少なさ(1位)-といった生活環境と関連していることも判明した。
県は今後、県内19市町ごとに同様の分析を進め、地域ごとの特徴と寿命への影響などについて分析する方針。
三日月大造知事は「生活習慣を整えれば健康寿命が長くなると、県民に根拠をもって呼びかけられる。生活環境との関係についてもより精緻に分析したい」としている。