身近に生息し、猛毒を持っていたり、感染症を媒介したりする動物や昆虫などを集めた企画展「危険生物~彼を知り己を知れば百戦危うからず」が、兵庫県伊丹市昆陽池の市昆虫館で開れている。昨年に神戸港などで発見されて話題となった南米原産の毒アリ「ヒアリ」など、危険な生物の標本やパネルなどが展示されている。7月2日まで。
山や川などを訪れる機会が増える夏本番を前に、触ったり、かまれたりすると危険な生物の正しい知識や対処法を身につけてもらおうと、同館が初めて企画した。県内でよく見る生物を中心に、全国各地の博物館や製薬会社の研究機関などから標本や資料などを借り受けた。
会場では、毒を持つ毛で覆われているチャドクガの幼虫や、吸盤で血を吸うヤマビルなどの生息地や特徴、触れた際の症状などを紹介。水田などに生息する毒ヘビのヤマカガシの剥製も展示している。
ヤマカガシについては昨年7月、伊丹市内でかまれた小学5年の男児が一時意識不明となる事態も発生した。同館の担当者は注意喚起をした上で、「危険生物も身を守るために毒などを持っていることを分かってあげて」と訴えた。
家族と訪れていた兵庫県西宮市の小学4年、原口大櫻(たいよう)君(10)は「ヒキガエルが毒を持っていたなんて知らなかった」と驚いた様子だった。