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冬季五輪の個人種目で日本選手初の2連覇の偉業を成し遂げたフィギュアスケート男子の羽生結弦(はにゅう・ゆづる)選手(23)=ANA=に対し、政府は1日、国民栄誉賞の授与を決めた。東日本大震災での避難生活や、大会直前の大けがなど度重なる苦難を乗り越え、五輪で栄冠をつかんだ羽生選手。個人としては最年少の受賞の報せに、ゆかりのある関西の地からは、関係者やファンらがお祝いの言葉を送った。
仙台市で生まれた羽生選手は4歳でスケートを始め、平成22(2010)年の世界ジュニア選手権で初優勝した。しかし、翌23年3月、仙台市内で練習中に東日本大震災に襲われ、避難生活を経験した。スケートをやめることも考えたが、周囲の支援を受けて競技を続け、2014年ソチ五輪ではフィギュア男子でアジア初の金メダルを獲得し、被災地を勇気づけた。
昨年11月にジャンプを着氷する右足首の靱帯(じんたい)を損傷。痛み止めを服用した今年の平昌(ピョンチャン)五輪で、再び表彰台の真ん中に立った。
この平昌五輪のフリーで演じた「SEIMEI」と縁の深い、平安時代の陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明をまつる京都市上京区の晴明(せいめい)神社では、参拝に訪れていた静岡県富士宮市の主婦、小林由美さん(51)は「天才であり、努力家でもある羽生選手は日本が世界に誇るスケーター。国民栄誉賞に十分値すると思う」と笑顔を見せた。
山口琢也宮司(57)は「五輪の前にお参りいただき、その通りに結果が出た。それが今回の賞につながったのであれば、いち早くに神様にご報告したい」と話した。