安倍晋三政権が最重要法案と位置づける働き方改革関連法案が、今週にも衆院を通過する見通しである。
高収入の一部専門職を労働時間規制から除外する「高度プロフェッショナル(高プロ)制度」などをめぐり、与党と日本維新の会、希望の党が法案を修正し、衆院の委員会で可決された。
本人の同意などを条件に、一定の専門職は働いた時間ではなく、成果で評価する仕組みが高プロだ。仕事の多様化に対応し、効率的な働き方を促す制度である。生産性を高め、日本経済の成長力向上に資する。
立憲民主党などはこれを「過労死を招く」と批判している。対象職種の拡大の不安も指摘される。こうした懸念を払拭するため、制度の乱用を防ぎ、その必要性や仕組みに対する国民の理解を得る努力を続けなければならない。
高プロの法案修正では、適用された本人の意思によって離脱できる仕組みを明記した。
もともと、労使による合意や本人の同意を適用する条件としている。予想に反して過重な労働を強いられた場合は、従前の労働条件に戻れることを追加した。
働き過ぎを防止する仕組みも設けている。企業には高プロ適用者に対し、年104日以上の休日を与えるなどの健康確保措置を義務づけ、労働時間の管理も求めている。政府はこれらの仕組みの周知にもっと努めるべきだ。