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働き方改革関連法案が可決された衆院厚生労働委員会では25日、過労死遺族らが神妙な面持ちで議論を傍聴していた。採決時には野党側の議員がなだれ込んで一時混乱したものの、けが人などはなく、野党側のプラカード戦術も鳴りを潜めた。
採決が行われた衆院第16委員室。立(りっ)錐(すい)の余地もないほど200人近くの傍聴者が集まり、委員以外の野党側の「応援組」議員約30人が脇に備えていた。
「質疑を終局することに賛成の諸君を…」と高鳥修一委員長(自民)が言い出した瞬間、西村智奈美議員(立憲民主)が委員長席に飛びかかり、議事進行の紙を奪い取った。その他の野党議員も席になだれ込み、委員長のマイクをひったくり、「ダメ!ダメ!」という怒鳴り声が飛び交った。
野党側は女性議員を中心に委員長席を取り囲ませ、応援組議員の一部は腕を組んで遠くから眺めているだけ。平成27年の安全保障関連法など与野党対決法案の委員会採決時には、野党側が「強行採決反対」などと書かれたプラカードを掲げていたが、そうした行為はなかった。
傍聴席では「茶番はやめろ!」と叫んだ年配の男性が警備員に室外に連れ出される一幕も。「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑(えみ)子(こ)代表や、過労死したNHK記者、佐戸未和さん=当時(31)=の母、恵美子さんら遺族も傍聴していた。