危機管理のセミナーで企業の模擬会見に記者役として出席したことがある。不祥事の謝罪と説明という想定で、わざといじわるな質問をしたり、声を荒らげたりする。どう答えるかだけでなく、頭の下げ方や服装もチェック項目である。採点すると、昨日の日大アメフット部の前監督、コーチの会見は落第点だ。
▶これほど騒ぎが大きくなり、批判が高まっているのに、記者会見するのが遅すぎる。危険なタックルの指示を否定したが、前日に選手が前監督、コーチの言葉を詳細に語っている。どちらが信じられるかは言わずもがなだろう。司会者が会見を打ち切ろうとしたのも印象が悪い。
▶「失敗学のすすめ」(講談社文庫)で畑村洋太郎さんが「失敗博物館」を提案していた。失敗例を収集・保存し、専門家を養成して、失敗の予防と大失敗にならないようコンサルティングをする。今回の日大はおそらく目玉展示になるだろう。隣が森友学園問題の財務省だったりして。