【ソウル=桜井紀雄】韓国統一省は23日、北朝鮮が同日、北東部、豊渓里(プンゲリ)の核実験場廃棄を取材する韓国記者団8人の名簿を受け取ったと明らかにした。取材を認める方針とみられ、韓国記者団は23日午後、韓国から政府輸送機で北朝鮮側取材拠点の東部、元山(ウォンサン)に直行する予定だという。
北朝鮮は、米韓両軍の共同訓練などを理由に16日の南北閣僚級会談の無期延期を通告して以降、態度を硬化させ、18~22日に3回にわたって名簿の受け付けを拒否し続けてきた。
北朝鮮は、韓国記者団の受け入れ問題を最大限、政治的揺さぶりに利用するとともに、突然の受け入れで貸しを作り、今後の対南交渉で主導権を握る狙いとみられる。廃棄を非核化を行動で示す「最大の措置」と位置付けており、韓国メディアを排除すれば、宣伝効果がそがれるとの判断もあったようだ。
北朝鮮は実験場の廃棄・公開を23~25日に行うとしており、米国と英国、中国、ロシアの外国メディアの報道陣は既に22日に北京から元山入りしている。豊渓里までは専用列車などでの移動を予定しているが、北朝鮮側は韓国記者団の合流を待つとみられる。