金融異変~地方銀行の苦悩(中)

再編でも「地銀」64行、利ざやとれない…共倒れに危機感

 今年4月11日、金融庁の有識者会議が出した報告書に金融業界は驚いた。「地域金融の課題と競争のあり方」と題したリポートはこんな未来を予想していた。

 《和歌山、富山、島根など23県で地域銀行が消え、京都、愛媛、熊本など13道府県では1行なら存続、神奈川や愛知、大阪など10府県でも2行しか生き残れないかもしれない》

 46道府県別に存続可能な行数を試算したもので、将来の人件費やシステムの費用を収益で賄えるかなどを調べて導き出した。

 報告書は「人口減少が進む見通しで、本業である貸し出しの残高の大幅な減少が予想される」と指摘。地銀の存在意義を問いかける内容だった。「生き残れないと名指しされたエリアの危機感はさらに高まるだろう」。ある関西の地銀トップはこう語った。

合併、厳しい競争が後押し

 報告書が公表される10日前、バブル崩壊後の金融危機を経験し、再編を遂げてきた関西の地元3行による金融グループが誕生した。りそなホールディングス(HD)グループの近畿大阪銀行(大阪市)と三井住友銀行子会社の関西アーバン銀行(同)、みなと銀行(神戸市)の3行を傘下に置いた関西みらいフィナンシャルグループ(FG)だ。資産規模は地域金融グループの中で全国6位に付けた。