独裁の現職マドゥロ氏再選 経済は「破綻寸前」のベネズエラ 明るい要素は見当たらず

 当選を確実にした後、こう語ったマドゥロ氏は、社会主義的バラマキ政策を打ち出すだけで、収縮する経済を救う具体策を打ち出していない。

 政府は2カ月ごとに最低賃金を引き上げているが、実体経済と乖離しており、実質賃金は低下。物価が急上昇した昨年8月以降、生活コストは約43倍になった。度重なる最低賃金の引き上げが生産コスト上昇、生産性低下を招くという悪循環に陥っている。

 国内主要3大学による2017年の調査では、自らを「貧困層、極貧層」とした国民は87%で、追い詰められた揚げ句の国外脱出が相次ぐ。米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の報告によると、過去2年間で約120万人がコロンビア、パナマ、エクアドルなどへ逃れた。

 ■政治

 マドゥロ氏は野党候補のファルコン氏らに「対話」を呼びかけたが、同氏らが応じる気配はない。すでに最高裁、全国選挙評議会といった枢要権力を掌握している政権は今後、野党が多数を占める国会の刷新を図り、さらなる独裁に傾くとみられる。

 頼みの綱は国軍で、軍出身者をPDVSA総裁や閣僚に抜擢して政治介入を拡大させてきた。ただ、食糧不足で下士官らに除隊希望者が相次ぐなど、国軍内の「反マドゥロ派」が不安定要因となる可能性もある。