中国が月の裏側探査へ通信衛星打ち上げ成功 今年末に世界初の軟着陸計画

 【北京=西見由章】中国当局は21日、四川省の西昌衛星発射センターで、国産運搬用ロケット「長征4号C」を使用し、通信衛星「鵲橋(じゃくきょう)」の打ち上げに成功した。中国は今年末、世界初となる月面裏側への軟着陸を計画しており、鵲橋は地球上との通信を中継する役割を担う。

 国営新華社通信によると、鵲橋は地球と月のそれぞれの重力などが釣り合い、双方と同じ距離を保ったまま静止できる「ラグランジュ点」付近に投入する。今年末に無人探査機「嫦娥(じょうが)4号」を月の裏側に軟着陸させる際、地球上と通信するための中継衛星として利用する。月は自転と公転の周期が同じため、常に同じ面を地球側に向けている。

 中国は2030年までに米国やロシアと並ぶ「宇宙強国」となることを標榜。月面探査プロジェクトをめぐっては月の裏側への軟着陸のほか、探査機「嫦娥5号」が月面の土壌サンプルを持ち帰る計画もある。また海南省の「文昌宇宙発射場」では、25年前後に同発射場から有人宇宙船を打ち上げ、月面に「中国人の足跡を残す」探査計画を展示している。

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