私が組んだルートは、空路でブリュッセル空港に入り、空港の地下から鉄道でアントワープへ。アントワープはあの泣けるアニメ『フランダースの犬』で知られる街だ。アントワープから再び鉄道に乗り、世界遺産のロマンティックな古都ブルージュ、ブルージュから30分も乗車すればベルギー第三の都市ゲントだ。
アントワープからブルージュへの移動日、アラカルトの朝食を断ると、ホテルのスタッフは「車内でどうぞ」と朝食パックを持たせてくれた。そうそう、車内で飲食できるのもヨーロッパの鉄道のいいところ。フランダース地方では電車通勤が一般的で、都市間を毎日往復する会社員も多いそうだが、乗客がすし詰め状態になることはないとか。隣席ではビジネスマンだろう、スーツを着た50がらみの男性が、ノートパソコンと新聞を広げ、コーヒーとサンドイッチの朝食をゆっくり楽しんでいた。