宗教施設が災害時の避難所になることを想定してもらおうと、国際NGO「世界宗教者平和会議(WCRP)」の日本委員会が、防災マニュアル『災害時に備えて-発達障がい児者受け入れのてびき』を発刊した。外見からは分かりにくい発達障害者を基準とし、配慮が必要な人々をもれなく支援することを、宗教施設としての目標に掲げた。避難所運営を体験できるカードゲームを使いながら、宗教者への普及を図る。
「避難所が騒がしく、発達障害児の少女がパニックを起こしている。どう対応しますか」
4月25日、京都市中京区のカトリック河原町教会で行われた『てびき』の発刊記念イベントで、静岡県が開発した避難所運営ゲーム「HUG(ハグ)」に、宗教者ら約30人が挑戦した。
模造紙を避難所に見立て、避難者の属性が書かれたカードを適切な場所に配置していく。「要配慮者」と呼ばれる障害者や外国人、乳幼児を抱えた母親らをどう処遇するかがポイントだ。アクシデントへの対応力も問われる。参加者からは「正解はないが、日頃の備えが必要」などの声が上がった。