東京都が4月に公表した受動喫煙防止条例の骨子案について、小池百合子知事は15日、特別区長会の総会に出席し、理解を求めた。区長からは議論不足を指摘する声や、「路上喫煙の増加を招く」などの懸念が出た。飲食業界7団体との面会では「経営に影響が出る」と再考を求められた一方、子育て中の母親らからは賛同の声が寄せられるなど賛否が分かれた。
都によると、区長会とは受動喫煙防止対策の推進が必要との考えで一致をみたが、飲食業界や自治体への丁寧な説明が欠かせないとして、議論不足を指摘する声が上がった。
総会後、杉並区の田中良区長は、地域の特性の違いを例に「大手町と小笠原村で一律のルールを作ることは合理的か。受動喫煙防止の実行計画は基礎自治体が作るべきだ」と批判した。
都内の飲食団体は都庁で「従業員の解雇か禁煙かの選択を迫られることになる」として、骨子案の見直しを求める要望書を提出した。
子育てを支援するNPO法人「フローレンス」の駒崎弘樹代表理事は都庁で小池氏に「受動喫煙は子供の健康と命に関わる。屋内禁煙を進めてほしい」と要請。同席した子育て中の母親らも骨子案に沿った対策推進を期待した。
都は4月、従業員を雇用している飲食店は店舗面積に関係なく原則屋内禁煙にする条例骨子案を公表し、6月の都議会での成立を目指している。