対北「最大限の圧力」明記 外交青書 日韓関係は格下げ

 河野太郎外相は15日午前の閣議で、平成30年版「外交青書」を報告した。北朝鮮の核・ミサイル開発を「重大かつ差し迫った脅威」と位置づけ、「あらゆる手段を通じて北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めていく」との方針を改めて明記。拉致問題、核、ミサイルの包括的解決を目指す姿勢を強調した。

 韓国との関係では、28~29年版にあった「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」との表現が削除され、「良好な日韓関係はアジア太平洋地域の平和と安定に不可欠」という記述だけになった。外務省幹部は「(安倍晋三)首相の施政方針演説などを踏まえ、総合的に判断した」と説明した。

 また、慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決をうたった27年の日韓合意に関して「日本側にさらなる措置を求めることは全く受け入れられない」と、着実な履行を要求。徴用工像設置の動きには「適切な対応をとるよう引き続き求めていく」とした。島根県の竹島は日本固有の領土で、韓国による実効支配は「不法占拠」とも明記した。

 中国との関係では、国交正常化45周年だった29年を「関係改善の気運が大きく高まった1年」と総括。ただ、東シナ海などでの海洋進出については「一方的な現状変更の試みは断じて認められない」と牽制(けんせい)した。

 日米関係は「安倍晋三首相とトランプ大統領との緊密な関係の下、かつてなく強固」で、北朝鮮に対しても「密接に連携して対応している」と記した。

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