「いらんこと言うて、あほやなあ」と思う。反省なく2度目となると、ちょっとムカッとして「たいがいにしいや」とたしなめたくなる。麻生太郎財務相が再び「セクハラ罪という罪はない」と主張した。「親告罪なので訴えられなければ罪ではない。事実を言ったまでだ」
▶歯に衣(きぬ)着せぬ物言いが持ち味で、失言が多いのは承知だが、どうにも理解に苦しむ。福田淳一前財務事務次官のセクハラ問題はすでに処分が下された。早急に事態を収拾して信頼を回復すべきなのに、なぜ蒸し返して、火に油を注ぐような発言を繰り返すのか。そもそも犯罪か否かが問題なのではない。
▶セクハラは嫌悪すべき行為である。ハリウッドやノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミーなど、世界的にも断罪の動きが広がっている。野田聖子総務相がセクハラへの罰則の検討に言及したが、麻生さんも「セクハラ罪がないなら、考えよう」と。それなら「あほ!」を撤回する。