小豆島遍路で自己研鑽 大学生ら17人が徒歩巡拝

 世代を超えた教育活動に取り組む一般財団法人・人間塾(東京都千代田区、仲野好重塾長)は、香川県の小豆島霊場を自己研鑽(けんさん)の場とした事業「小豆島おへんろ」を開催した。参加した塾生の大学生ら17人が53の札所(全行程約57キロ)を3泊4日で巡る徒歩巡拝に挑んだ。

 人間塾では、それぞれの立場で社会に関わり積極的に活動したり、事業の支援活動に取り組んだりしている。関東地区で学ぶ志のある学生への奨学金やボランティア活動への助成、講演や研修会での人材育成を実践。小豆島では「自分を見つめ直す」をテーマに、ゴールデンウイーク期間中に観光やレジャーを返上して黙々と歩いて札所をめぐり、仲間との時間を共有することで新たな気づきの機会にするのが狙い。

 初日の3日は小豆島の中ほどから南に伸びる三都半島にある寺や庵など13札所を巡る約15キロに挑戦。島内の遍路道は起伏が多いが、海沿いの道は峠を越えるたびに変化をみせる。白衣に輪袈裟(けさ)、菅笠(すげがさ)と金剛づえの遍路の列が風景に溶け込んでいた。

 小豆島町にある同霊場31番札所・誓願寺では約120平方メートルに枝を広げた国指定の天然記念物「誓願寺のソテツ」の生命力に感動しながら、この日の行程の残り約10キロの歩きに、気持ちを再燃させていた。

 初めて参加した中川慎一朗さん(19)は、持続可能な社会に貢献しようと早稲田大先進理工学部で再生可能エネルギーの研究者を目指しており、「20歳を前に、今まで気づかなかった感謝の心を、日本の伝統文化の体験を通して感じたくて参加した」と話していた。

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