元ポスト習近平に無期懲役判決 「29億円収賄」孫政才氏、上訴せず

 中国天津市第1中級人民法院(地裁)は8日、収賄罪に問われた孫政才・前重慶市共産党委書記(54)に無期懲役の判決を言い渡した。公民権を終身的に剥奪するほか、個人財産も全額没収する。国営新華社通信によると、孫氏は罪を認め上訴しない意向を示した。

 判決によると、孫氏は北京市順義区党委書記を務めていた2002年から重慶市トップの市党委書記だった17年までの間、職務上の権限を利用して関係機関や個人のために入札やプロジェクトの認可、昇進などをめぐって便宜を図り、見返りとして計1億7千万元(約29億円)相当の金品を受けとったとされる。判決は「自ら模範となるべき高級幹部が巨額の賄賂を受け取った」と指弾する一方、捜査機関が把握していなかった収賄についても供述したとして情状酌量を認めた。

 孫氏は胡春華副首相と並ぶ習近平国家主席(党総書記)の有力な後継候補の一人だったが、昨秋の党大会直前に習氏が主導する反腐敗闘争の標的となり失脚した。習氏は党大会で、慣例となっていた後継候補の政治局常務委員への昇格を見送り、その後も国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正を行うなど、自らの3期目続投に向けた布石を打ち続けている。(西見由章)

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