「中国は東インド会社にはならない」
加盟国側で危機感は共有されてはいないようだ。
パキスタン国内では表だってCPECへの異論は聞こえてこない。「中国がインフラ整備をして、働き口を作ってくれると歓迎する雰囲気がある」(現地ジャーナリスト)。
むしろ、首脳からは中国からの投資を歓迎する発言が出ている。
「CPECは債務のわなではない。中国が求めるのはパートナーシップだ」
南部カラチで23日に開催されたCPEC関連フォーラムで、アッサン・イクバール計画相はこう述べ、中国への信頼感を示した。外部の懸念を意識した発言であることは明白だ。
さらにイクバール氏は、17~18世紀にかけてアジアでの貿易を独占し、植民地経営にも関与した東インド会社を引き合いに出し、「中国は東インド会社にはならない。パキスタンにとって何も恐れることはない」とも発言した。
もちろん、インフラ整備などによって、生産性が向上し、経済発展につながれば、債務返済も順調に進む可能性はある。外交筋は「仮定をいくつか経ないと、良い結果にたどり着けないのが一帯一路だ」とした上で、「インフラが整うのは素晴らしいが、その背後に潜んでいるものを見極める必要がある」と話している。