クローズアップ科学

太陽の巨大爆発に現実味 「スーパーフレア」甚大な被害懸念

 2012年に発表した論文は世界的な反響を呼んだ。その後、各国の研究で紀元前にも3回発生した可能性が浮上している。発生頻度は分かっていないが、三宅氏は「過去に起きたので、未来も起きるはずだ」と話す。

千年ごとに発生か

 観測記録がない時代を探るには、史料も手掛かりになる。注目されるのは、1770年に名古屋や赤道付近のティモール島周辺など世界各地で出現した大規模なオーロラの絵図や記述があることだ。

 オーロラは通常、高緯度の極地で起きるが、フレアで放出された粒子が大気と衝突すると活発化して範囲が拡大。中・低緯度地域で広く現れたことを示す史料の存在は、スーパーフレアが起きた可能性を物語る。

 巨大爆発が太陽で起きないとされてきた理由はこうだ。太陽と明るさや温度が似ている恒星は、近くに巨大惑星があると磁場が影響を受けてスーパーフレアが発生する。しかし太陽は巨大惑星の木星が遠くにあるため、発生しないという考え方だ。

 だが太陽で起きる可能性は、天文学の研究からも分かってきた。京都大などのチームは米国のケプラー宇宙望遠鏡の500日の観測データを分析。279個の太陽型の恒星で、スーパーフレアが計1547回も起きたことを突き止めた。

 爆発規模は太陽フレアの千倍に達したものもある。いずれの恒星も近くに巨大惑星は見つかっていない。

 チームの柴田一成教授(宇宙物理学)は「太陽だけが例外という理屈はあり得ない。規模にもよるが、おおむね千年ごとにスーパーフレアが起きる恐れがある」と強調する。いったん発生すると、短期間で繰り返す時期に入るという。

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