「昭和の日」の4月29日、大阪市阿倍野区の大阪メトロ御堂筋線昭和町駅周辺で行われた「どっぷり、昭和町。」というイベントに出かけた。その名の通り町全体が昭和の面影を残し、屋台のグルメや店先ライブなどのほか、昭和の遊びが体験できるのも懐かしい。好天に恵まれて盛況だった。
▶大正末から昭和の初めの「大大阪」と呼ばれた時代に、急増する人口の受け皿として長屋が数多く建てられた。板塀と漆喰(しっくい)壁が連続する純和風の「お屋敷長屋」である。国の登録有形文化財に指定されているものもある。古くからの住民が多いのは、住みやすいからだろう。だから手づくりのお祭りができる。
▶長屋や旧家が見学者に開放されていた。商店街を歩くと、時間がゆったり流れる。町の人たちが味わってもらいたいのは、昭和の暮らしぶりなのだ。小欄の世代には「昭和」は故郷である。1年後には元号が改まり、「平成」が終わる。どんな時代が来るのだろう。