「地球に似た惑星」は実は存在しないかもしれない

PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/AMES/JPL-CALTECH
PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA/AMES/JPL-CALTECH

 これまで2%2C600個を超える太陽系外惑星を発見してきたとされるケプラー宇宙望遠鏡。しかしこのほど、それらは別の現象や、ケプラー自体の機器の問題から生じる誤検出の可能性もかなり高いという論文が発表された。いくつかの「地球に似た」太陽系外惑星も発見されているが、もしかすると実は存在しないという可能性も浮上してきた。

つい最近までファーガル・ムラリーは、ケプラー宇宙望遠鏡の科学チームに所属していた。太陽系外惑星の探査衛星であるケプラーは、これまでに2%2C600個を超える惑星を発見している。「われわれは空を指さして、『あの恒星の周りには惑星が存在する』と言いたいという強い欲求に突き動かされているのです」と、ムラリーは話す。

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2009~2013年の4年間にわたるメインミッションで、ケプラーは宇宙のひとつの領域に対象を定め、そこに存在する恒星の光を観測した。楕円軌道の上を公転する惑星が、恒星の前をトランジット(通過)したとき、恒星の光がわずかに暗くなるのをとらえるのだ。

そのようにしてケプラーが発見した惑星のなかでも特に心躍らされるのが、地球サイズで、液体の水が存在する可能性がある、いくつかの「地球に似た」太陽系外惑星[日本語版記事]である。

しかしこのほど、ムラリーは天文学の世界を離れ、オービタル・インサイトという衛星画像分析企業に移籍した。「天文学にはもう十分に長い時間を費やしたので、何か別のことに挑戦したいと思ったのです」とムラリーは言う。

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