異聞~要衝・奄美大島(上)

「中国にのみ込まれる」大型クルーズ船寄港計画の裏に…

 対馬(長崎県)で海上自衛隊の施設周辺が韓国資本に買収された際、視察したという地方議員経験者は「地元の発展に資すればいいかもしれないが外資に買収されることの怖さも実感してほしい。安全保障上で重要な地域を蹂躙(じゅうりん)され、北海道や対馬で起きているように買収されてしまうと取り返しがつかなくなる。国家の危機につながることだ」と警告し、こう続けた。

 「北海道や対馬のようにならないためにも、中国人観光客誘致の前に法整備を行い、外資による不動産買収を規制していく必要がある。まだ、買われていないからといっていると手遅れになる」

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 陸自部隊の誘致などに動いたという別の元地方議員によると、陸自の誘致と海自の拡充についてはほぼ同時並行で瀬戸内町に特別委員会を立ち上げ、町議全員が参加するかたちで走り出した。この元議員は「南西諸島海域の緊張や緊迫が続く尖閣諸島の問題などの流れもあって、奄美での防衛力強化につながったと思う」と自負している。

 国防優先で戦略拠点になりうる地域に目を注ぐ防衛省と、訪日観光客数の目標を平成32(2020)年に4千万人と倍増させ、観光で地域を活気づけようとする国土交通省。政策的な乖離(かいり)もさることながら、両省で連絡調整は行われているのか。

 「安全保障面で見ると、防衛省と国交省がやっていることは逆だ。国が一つではない」(元議員)

 瀬戸内町では将来の奄美を憂える声が渦巻いている。

 奄美大島は今年、世界自然遺産に登録される見通しだが、その奄美で何が起ころうとしているのか。現状を報告する。(編集委員 宮本雅史、写真も)

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