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人民元、米ドルに並ぶ「基軸通貨」へ新段階 河崎真澄

 習氏は、「今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を築く」と述べ、経済力に加えて軍事力でも圧倒的なパワーを得て、米国に対抗する「強国路線」を進む意志を明確にした。ドルの駆逐は不可能としても、元を第2の基軸通貨にすえることが習氏の頭の中にある。

 次の第4ステージは、中国が進める新シルクロード経済圏構想「一帯一路」の対象地域を「元経済圏」に重ねていく戦略だろう。

 だが、基軸通貨へのハードルはなお高い。「元への信認を国際社会から得るためには、本格的な『資本の自由化』が金融政策として欠かせない」と岡三証券の中国駐在チーフエコノミスト、後藤好美氏は話す。

 習氏は金融自由化の方針を表明しているが、実のところ国内からの資本逃避や海外からの投機マネー流入を恐れ、資本取引の管理を手放す気配はない。元の国際化を追求する一方、国境に資本移動の壁を築く中国の「矛盾」は当分、続きそうだ。(上海支局長)