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人民元、米ドルに並ぶ「基軸通貨」へ新段階 河崎真澄

 通貨「人民元」を、いずれは米ドルに並ぶ「基軸通貨」にしようと画策している中国。その国際化戦略が第3ステージに入った。

 初めて元建てで原油が取引される先物市場が3月26日、上海に誕生し、ドル建て決済が常の石油ビジネスに風穴を開けた。「元パワー」で原油の国際相場形成に影響力を行使したい中国の狙いは、明白だ。

 米国が震源地である2008年9月のリーマン・ショックでドルへの信認が揺らいだタイミングを捉えた中国。09年に上海市と広東省広州市など地域限定で、中国政府は元建て貿易代金決済を初めて認めた。これが第1ステージだったといえる。

 輸出代金を元で受け取る契約を結ぶと、ドル下落局面でも中国は為替リスクを回避できる。貿易相手先はドルに加え元も重視せざるを得ない。自信を深めた中国はその後、貿易決済の対象地域を全土に広げた。

 第2ステージは、国際通貨基金(IMF)が16年10月、「特別引き出し権(SDR)」の5番目の構成通貨に元を加えたこと。ドルやユーロ、英ポンド、日本円に続き、国際通貨の一員としてお墨付きを与えた。元を外貨準備の通貨に追加する国も現れ、元の存在感は一気に向上した。