京セラ「アメーバ経営」営業秘密持ち出し疑い 子会社元部長を書類送検

 電子部品大手、京セラ(京都市)創業者の稲盛和夫氏が編み出した経営手法「アメーバ経営」にかかわる営業秘密を不正に持ち出したとして、京都府警は1日、不正競争防止法違反(営業秘密侵害)の疑いで京セラの子会社「京セラコミュニケーションシステム」(同市)元部長の男(42)を京都地検に書類送検した。府警によると、容疑を認め、「自分が作ったデータなので持ち出してもいいと思った」などと話しているという。

 書類送検容疑は、平成28年9月15日、大津市内の自宅で業務用パソコンから京セラコミュニケーションシステムのサーバーに接続。28日から29日にかけ、病院経営の手法などに関する同社の営業秘密データを私用パソコンに送信したとしている。

 データは稲盛氏が編み出したアメーバ経営を医療分野向けに改良した「京セラ式病院原価管理手法」に関するファイル。

 府警によると、社内調査で持ち出しが発覚し、同社が29年8月に府警に告訴していた。

 男は28年10月に大津市内のコンサルティング会社に転職。持ち出したデータの一部を転職先に渡したと供述しており、府警は慎重に裏付けを進める。

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