4月から通っているという神戸市中央区の高校2年、呉舜貴(くれしゅんき)さん(16)は「体を動かしたくて週2回くらい来ています。集中してやれるので楽しい」と話す。同市内の会社に勤める男性(43)も「仕事が終わって同僚と来ました。手ぶらで来てすぐできるし、この後飲みにいくんで気分も盛り上がる」と笑顔を見せる。
管理する神戸高速鉄道事業部の宮村哲二さん(39)によると、日本の卓球選手が初めてメダルを獲得したロンドン五輪以降、利用客が増えて売り上げは約1.5倍になったといい、「レトロで親近感のあるところが魅力なのでは」と強調した。
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「お酒を楽しみながら卓球もできる」と人気なのが、昨年7月開店の卓球バーラウンジ「パレット北新地店」(大阪市北区)だ。本町店(同市中央区)に続く2号店という。
「ピンポン!」とインターホンを押すとドアが開き、スリッパに履き替えて店内へ。約200平方メートルある店の中央に3台の卓球台があり、それを取り囲むようにテーブルやソファ、床にそのまま座れるちゃぶ台が並ぶ。壁にはおもちゃや絵本が飾られ、まるで家に帰ってきたような雰囲気。
サラリーマンの姿が目立つが、北新地という立地から深夜になると飲食店に勤める女性も来店。「最近では、『こんなスカートではできないからスエットを置いてほしい』なんて言われますよ」とオーナーの前田直輝さん(36)。もちろんマイラケットをキープする常連客もいるという。