法廷から

元マラソン女王はなぜ万引を繰り返したのか

 その後、スーパーなどへ買い物に行く際は両親が万引しないように同行していた。太田市での犯行当日、原被告は「レンタルDVDを返却する」と言って外出しようとし、母親は「DVDだけだよね」と念を押して送り出したという。

 公判後、原被告の主任弁護士は原被告が現在も摂食障害治療のため入院していると明かした。再犯の原因として、退院後の環境調整に失敗し、治療がうまくいかなかった可能性についても言及。原被告は犯行時、一度服の中に商品を入れたものの「返すつもりはあった」と話しているという。

 原被告は平成12年、宇都宮文星女子高を卒業後、実業団トップの京セラに入り17年、初マラソンの名古屋国際女子マラソンで優勝、彗星(すいせい)のごときデビューで同年の世界陸上ヘルシンキ大会に出場、日本勢最高の6位入賞を果たし、19年の大阪国際女子マラソンでも優勝。同年の世界陸上大阪大会にも出場している。

 一方で、チーム加入後、過食と嘔吐(おうと)を繰り返す摂食障害に苦しみ始めた。原被告は前回犯行後の宇都宮地裁足利支部公判で、厳しい体重制限により過食と嘔吐を繰り返すようになったと告白。「食べては吐いてストレスを解消していた」と語っている。